遺言書の作成事例 その2
今までのブログでは、相続法の法改正を中心に掲載してきましたが、今回から数回は遺言を作成された事例についてご紹介したいと思います。
目次
【孫と内縁の夫へ遺贈したい場合の事例】
【遺言者及び相続人等】
遺言者:Aさん(女性・70代・独身)
相続人:Cさん(息子・50代)
受遺者:Dさん(孫・20代)、Yさん(男性・70代・内縁の夫)
【背景】
Aさんは30代で離婚し独身だったが、60代後半からYさんと知り合い同居し、今に至っている。
相続人である息子Cさんは海外に移住しているため、老後の心配はあったが、Yさんと生活してからは少し不安が緩和された。Yさんとは諸事情から入籍するつもりはないが、お互いの面倒を見ることの約束はできている。
そこで、Aさんは預貯金以外に賃貸している不動産もあり、相続関係を整理しておきたいことから、遺言書を作成することにした。
【相続財産】
・預貯金
・賃貸用不動産
【遺言の種類】
公正証書遺言
【遺言の内容】
・当初は、不動産と預貯金の一部を相続人で息子Cさんに相続するつもりだったが、息子Cさんの強い希望もあり、その相続分を孫Dさんに遺贈する旨記載にした。
・預貯金の一部を、内縁の夫Yさんに遺贈する旨記載した。
・その他動産は、処分も含めて内縁の夫Yさんに一任することを記載した。
・予備的には、相続開始時に孫DさんがAさんより先に死亡していた場合は、Dさん遺贈分を息子Cさんへ相続する旨を、内縁の夫YさんがAさんより先に死亡していた場合は、Yさん遺贈分を孫Dさんへ遺贈する旨を記載した。
【本事例のポイント】
・相続人以外の者に相続財産を遺贈したい場合は、遺言が必要であること。
・相続人の希望を考慮したこと、生活を共にする内縁の夫へ配慮した内容であること。
・遺言者より先に受遺者が死亡していた場合の予備的な記載をしたこと。
遺言や相続についてお困りの際は、東京都町田市の「相続東京町田相談室 行政書士北尾芳信」へご相談ください。
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