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相続について考えてみませんか?



こんにちは。東京都町田市の「相続東京町田相談室 行政書士北尾芳信」です。
今回は相続について考えたいと思い、ブログをアップしました。
8月に入り、夏休みを取られる方も多くなり、お盆休みには帰省して実家で親と過ごす機会もあるかと思います。
相続のお話については、日本人の気質からすると自分からも親からも切り出しにくい現状がありますが、何時かは親も自分も相続問題に直面する時が必ずやってきます。
相続について今から考えるのか、その時まで待つのかは人それぞれです。しかしながら、親としては子供である相続人同士で争ってほしくない、また負担を掛けたくないとの思いがあるのでしたら、気力がある50歳~60歳代の今から準備を始めても決して遅くないはずです。また、子供がいない夫婦にあっては、配偶者だけが法定相続人であるとは限らず、親や兄弟姉妹が相続人になる可能性があることを考えておく必要もあります。
今回は、遺言の活用についてピックアップしてみました。

目次

遺言の活用とその重要性と必要性

相続問題で、遺言の役割はとても重要な位置付けにあり、また被相続人と相続人の関係から必要に迫られることもあり、遺言を作成する方は年々増えてきていますが、全体から見るとまだまだ少数です。
遺言を作れと言われても、「どの様に作成したらよいのか分からない」、「手続きが面倒」、「死ぬを待っているようで嫌だ」との考えから、重要かつ必要と感じていても一歩が踏み出せない方も多いかと思います。
これらのハードルを少し下げるべく、昨年7月、民法(相続法)の大きな改正がありました。遺言に関連する事項ついては、今年1月から施行開始となった制度、2020年7月施行開始になる制度があり、この2制度について少しご紹介したいと思います。遺言には主に、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つがあり、今回は「自筆証書遺言」について改正されています。
(2019年1月13日から施行)
→全文自筆で書く必要があった、遺言書別紙で添付する財産目録(不動産や金融資産)について、パソコン等で作成しても有効になりました。遺言者が所有する不動産の詳細、金融資産(金融機関名など)については情報も多く、財産にも増減など変化が生じますので、記載ミスなど間違いが防ぐことができます。
(2020年7月10日から施行)
→法務局で自筆証書遺言を保管してくれるため、改ざん、滅失のおそれが少なくなります。相続人等は、法務局から遺言書が保管されていることの証明を受けることができ、遺言書を閲覧することもできます。また、家庭裁判所での検認手続きが不要になります。

【1】相続財産、葬儀費用について

相続財産についてですが、自分の相続財産を子供にどの程度明らかにしているかでは、「三菱UFJ信託銀行によるインターネット調査」(2018年)によると、子供への相続を検討中674人の回答から、「まったく明らかにしていない」が約52.5%と半数以上を占めています。逆に「すべての財産を明らかにしてる」が約13.6%にとどまっています。
葬儀費用について、「費用をどう工面する」では、「朝日新聞デジタルのアンケート」(2019年6月20日~7月18日実施の回答137)では以下のようです。
 1位:故人の口座から遺族が引出し44
 2位:故人自ら用意23
 3位:高額な葬儀はしない11
 4位:喪主が負担 21
 5位:遺族で分担 9
また、費用額については約80%が150万円まで、残りの20%は150万円を超えると想定しているようです。
相続財産はお金だけでなく、不動産や動産等もあることから、誰に何をどの割合で相続させるのか、またするのか、葬儀費用はいくら掛かり、誰が準備するのか、これらを相続人である子供達に明らかにし、また話し合っておくことが大切ではないでしょうか。

【2】遺言の重要性について

上記記載の通り、今回の法改正で「自筆証書遺言」の使い勝手がよくなったとは言えますが、まだまだ問題が残されています。遺言書を法務局に保管することで、遺言書の改ざん・偽造・滅失のリスクが下がるとはいえ、記載内容に法的不備、記載内容が明確でなく、かえって争いになってしまうリスクが残されています。
これらに対して、「公正証書遺言」は、「自筆証書遺言」の法的不備等をかなり無くすことが可能になります。
「公正証書遺言」は、公証人がいる公証役場で作成することができます。公証人は、検察官や裁判官の経験者が務めており、法的不備になる心配がなくだけでなく、遺言作成時は証人2名が同席することが要件となっていますので、かなり信用性が高まります。日本公証人連合会によると、2018年に全国で作成された公正証書遺言は11万471件と10年間で1.5倍程度まで増加しているとのことです。
また、遺言内容実現する「遺言執行」までのスピードが速いという点では、公正証書遺言にメリットがあります。自筆証書遺言では、家庭裁判所の検認手続き、全相続人に遺言の存在を知らせ、全相続人の戸籍謄本の準備などが必要となるからです。また、自筆証書遺言の内容に「遺言執行者の指定」の記載がない場合には、家庭裁判所に「遺言執行者選任の手続き」を申請する必要があるなど、手続きもより煩雑になってしまいます。
遺言の重要性という観点からは、「遺言に法的不備がないこと」、「遺留分に配慮した内容」、「かえって争いを生まない内容」が必須であり、遺言執行のスピードからも、多少の費用を要したとしても、「公正証書遺言」の作成をお薦めしたいと思います。

【3】遺言の必要性について

遺言の必要性の観点からは、遺言者がなぜ遺言を残そうと考えたのか。やはり、「相続人間で争いをしてほしくない」が多いかと思いますが、それだけでは少し足りないと思われます。
例えば、相続人に同居している長男と別居している長女がいた場合などにも遺言は必要になってくるのではないでしょうか。居住用不動産は長男に相続させ、その他金融資産を長女に相続させる場合などは、遺言に詳細を記載することで法的拘束力があり有効となります。(ただし、金融資産が長女の遺留分を侵害しない程度の額が必要になってくると思われますが。)
また、子供のいない夫婦、籍を入れない事実婚、LGBTなどの同性カップル、単身者なども遺言が必要ではないでしょうか。遺言者の相続人に兄弟姉妹しか存在しない場合、兄弟姉妹には遺留分権利がありませんので、これを気にすることなく遺言が作成できます。
例えば、疎遠で遠方に住んでいる兄弟姉妹より、生前お世話になった個人や法人(団体)などに自分の財産を遺贈したい場合などには遺言が必要になってきます。また、単身者で相続人が存在しておらず遺言が無い場合、その財産は国庫、つまり国に渡すことになってしまいますので、よく検討しておきましょう。


最後に、いづれの遺言作成にも私たち行政書士などの専門家に依頼していただくことをお薦めします。多少の報酬が掛かりますが、遺言者のお気持ちに寄り添い、相続人のことも配慮しながらお手伝いさせていただきます。
遺言についてお困りの際は、東京都町田市の「相続東京町田相談室 行政書士北尾芳信」へご相談ください。

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