相続の基礎知識について その1
相続については、ここ最近テレビで何度も取り上げられ、また昨年7月には相続法の大きな改正があり、興味をお持ちの方がさらに増えているかと思います。
今回は、知っているようで知らない、または知っているけれど正しい知識を持ち合わせていない方向けに、できるだけ簡単に説明したいと思います。
目次
相続とは何か
自然人(被相続人)の財産法上の地位を、その者の死後、法的または本人の最終意志(遺言)によって相続人に承継させること。
もう少し簡単に言いますと、亡くなった人が生前所有していた不動産やお金などの財産(負債も含む)を、その妻又は夫や子供、あるいは孫が受け継ぐことをいいます。
よって相続は必ず誰にでも起こります。
1相続の手続きはおもに2通り
①遺産分割協議(没後)
・相続人全員で、被相続人の財産を誰にどの様に分けるか協議が必要です。
・紛争性があり、相続が争続になることもあります。
・相続人全員の合意が必要で、長期化することもあります。
②遺言(生前) →遺言執行※(没後)
・遺言者が民法の方式に従って遺言書を作成します。
・第3の保険と呼ばれ、紛争性が少ないと言われています。。
・すみやかな遺産分割(遺言執行※)が可能です。
※遺言執行:遺言書に記載さてれている内容の実現のために必要な事務を行うこと
2相続が発生したら
①遺言書が有る場合
・遺言執行者が遺言書記載内容をもとに遺言執行を行います。
・遺言執行者の指定がされていない場合は、相続人が家庭裁判所に遺言執行者選任の申立を行い、選任された遺言執行者が遺言執行を行います。
②遺言書が無い場合
・下記3つのいずれかを選択し、全ての相続人で遺産分割協議をする必要があります。
単純承認:プラス財産もマイナス財産も相続すること。※1
限定承認:相続財産を責任の限度として相続すること。※2
相続放棄:プラス財産もマイナス財産も相続しないこと。※3
※1:相続開始を知った日から3か月以内に限定承認や相続放棄を行わないと単純承認となります。
※2:相続開始を知った日から3か月以内に相続人全員で行う必要があります。
※3:相続開始を知った日から3か月以内に行う必要があります。
3相続について誤った知識をお持ちでないですか?
①うちには子供がいないから夫の財産は全て妻の私が引き継ぐ
⇒遺言書が無い場合、法定相続分による遺産分割が原則ですから、夫に両親や兄弟姉妹がいれば彼らも相続人となり、遺産分割協議が必要です。
②うちにはたいした財産がないから大丈夫
⇒土地、家、預貯金はありませんか。狭い土地でも、築40年の家でも、少額の預貯金でも相続財産にかわりありません。また、借金などマイナス財産があれば放置することは出来ません。
③うちの子供たちはみんな仲が良いから問題ない
⇒子供たちにも家庭があり、それぞれの立場や生活環境なども異なります。相続となれば、それぞれが権利を主張する利害関係人になります。
4まとめ
①相続は必ず誰にでも起こります。
②相続が発生したら、必ず何らかの手続きが必要ですので、決して放置しないでください。
③相続について、お父さんやお母さんと、または子供達とお話する機会をつくってください。
相続についてお困りの際は、東京都町田市の「相続東京町田相談室 行政書士北尾芳信」へご相談ください。
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